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  • vol.4 経営者感覚とオーナーシップ − 夢の街創造委員会株式会社 取締役副社長 阿部夏朗




人材についてもう少しお聞かせ下さい。阿部さんが入られる頃から大型の資本提携が続いたと思いますが、そうした提携によって、採用できる人に変化は起きましたか?

 純粋に人材の採用ということでいうと、大きくは変わらなかったと思います。応募してくる人の層が明確に変わったのは、今年の5月25日に上場承認がおりた頃くらいですね。それくらいから、今までとは来る人が変ったと思います。上場承認がおりるまではなかなか良い人材がとれなかった。内定を出して「ありがとうございます」と言われたのは、上場承認がおりてからです。やっぱり上場を目指しているとか、上場予定とかっていう会社はものすごくいっぱいありますので、求人サイトなどでそういうコメントを見ても、みんな信じないみたいですね。
 これから採りたい人ということでは、経営のダイナミズムを実感したいと思っているような人が良いですね。本社の部長をやるよりは子会社の社長をやりたいというような人に、是非来て頂きたいと思います。そっちの方が面白いと思うんです。自分でリスクを取って、責任をもっていろいろやっていける人が欲しいですね。


中村社長についてはたくさんのインタビュー記事を、貴社のサイトからも読むことができますが、阿部さんから見た社長の人柄や経営手法について、教えてください。

 社長はとにかくいつも前向きです。これは非常に重要なことだと思います。ベンチャーなので常に辛いことも苦しいこともありますので、常に前向きだということは、最も大切なことだと思います。あとは、非常に自分で何でもやっていくスタイルですね。だから、「ちょっとこの件いい?」って言って、今でもアルバイトと二人でミーティングをしたりすることもある。社員にとって、とても身近な存在ですね。社員と距離が近いです。先ほど言ったワンマンというところとそこは矛盾してしまうかもしれないですけど、もっと強烈なワンマンを見てきた私としては、身近なワンマンという感じもします。
 あとは、これは経営者に必要な能力じゃないかと思うんですけど、社員の良いと思った意見は素直に取り入れることですね。経営者にとって誰が発言したかということは、ある意味どうでもいいことなんだと思います。良い意見を実行に移すのが重要なんだとそのあたりの素直さが大切ではないかと思います。



ワンマンというキーワードが何度か出ましたが、VCも一定の比率があり、かつインデックスさん、ヤフーさんなど大型の資本提携もしてこられましたので、オーナーシップというのは発揮し難かったところもあったのでしょうか。

 中村の場合は創業者ではなく、創業から少しして社長を引き継ぎましたので、そもそも厳密にはオーナーではありません。ただ、創業社長によるある種の強制的なオーナーシップに対して、なんというか自然発生的なオーナーシップというものもあると思います。
 例えば、私なんか全然オーナーじゃないですけど、やっぱり社員が無駄なFAXを一枚送るだけでも腹が立つんですよ。10円ですけど、腹が立ちます。その時に腹が立つ人と立たない人がいるのだと思います。「うるさいなー、細かいなー」って思う人もいるかもしれない。「でも、もうちょっとこっちの方が安いんじゃないの」って言うと、「けちくさいなー」みたいな。
 でも、その姿勢を言ってるんですよね。100円を70円にしろって言っているのではなくて、無駄を反省しない、そういう考えかた自体を変えてほしいって言ってるんですよね。経営者感覚がある人とない人がいるんじゃないかと思いますね。自然発生的なオーナーシップっていうことは非常に大事なことだと思います。これがない会社は、結局オーナー一族で終わっちゃうってことですよね。中村は、そういう強制力はなかったけど、自らオーナーシップを持っていたし、自分がやらなければならないという強いリーダーシップをもっていましたね。
 創業からずっと赤字でしたので、お金がないし優秀な人材が雇えないということもありました。だから、強いリーダーシップを発揮せざるを得なかったということもあったかもしれません。社長と他の社員とのレベルの差があまりにも激しすぎました。いろいろな状況もあったと思いますが、創業社長ではない上に、非常に大きな外部資本が入って、なお経営者がオーナーシップを発揮し、維持できてきたというのは素晴らしいことだと思います。



阿部さんが入社を決めた時、その時点で一番リスクの高い会社を選んだ、というお話でしたが、それによるリターンはいかがでしたか?また、阿部さん自身の今後はどのようなものでしょうか。

 キャリアの面では20代で取締役になり、上場も2度経験しました。まだまだこれからではありますが、目に見えない経験や自信という点で大きなリターンを得たと思います。経済的にもある程度の資産を形成できました。今後は自分が頑張れば自分の資産もどんどん増えていきます。その意味では非常にやりがいがあります。
 セルフモチベートって結構難しいと思うんですね。お金だけではなくて、やっぱり何か、自分をモチベートさせる材料がいくつかあった方がいいんだと思います。
 当社はまだまだ発展途上段階ですが、一つ自信をもって言えるのは、自分自身で使ってみて本当に良いサービスだと思うので、このサービスをもっともっと多くの人に使って欲しいなと思いますね。
 ファンドマネージャーの方などでも、特に若いファンドマネージャーは、「本当に素晴らしいサービスですよね。ユーザーとしてそれが分かるので、僕はここの株を自信をもって買えます」と言って下さる方がいるんです。そういう風に言ってくれる方がいると本当にうれしいです。自分が作っているサービスが世の中の役に立っているかどうかっていうところの手ごたえがないと、モチベーションの維持ってなかなかできないと思うんですよ。それが社会性というところと繋がってくるのだと思いますけど、最終的には、一番大切なのはそこなんだろうなって思いますね。
 私はこれからも、ユーザーに喜んで頂ける、本当に価値のあるサービスを提供していきたいと思っています。


--------------------【阿部 夏朗氏プロフィール】--------------------
1975年7月19日 東京都に生まれる。
1998年3月  東京工業大学工学部経営システム工学科卒業
1998年5月  アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)入社
2002年8月  株式会社ワイズテーブルコーポレーション入社
2002年10月 同社経営企画室長
2004年10月 夢の街創造委員会株式会社 入社 取締役就任
2004年11月 同社取締役副社長就任(現任)

夢の街創造委員会株式会社

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インタビューINDEX
vol.1 取締役としての事業参画
vol.2 自分の存在意義
vol.3 ベンチャーでの挫折を経験して
vol.4 経営者感覚とオーナーシップ

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